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日本文化研究会「和のテーマパーク」
10.132011
女児祝い着の文様のいわれ(19)
きものに描かれたぼかし色は水を表しています。生まれたばかりの桜花や鞠に生命の基となる水を与え、やさしく育んでくれているようです。
花ははかないものですがきものに描かれたは花は永遠の命を持ちます。
さくらは「さ=米」「くら=蔵」の意味があり人々に愛される花であると同時に稲作の始まりを意味している日本人にとって最も大切な花です。
また鞠は古来より女児の魔よけ厄除けとして贈られる慣わしがあります。意味は七色の糸は魔よけ。また丸いその形は幸せが円満に、ころころとはずみながらころがっていつまでも続くようにとの願いが込められています。現実にはありえない現象も、描かれた意匠の中では起こり得ます。
美智子皇后が皇室に嫁がれる際に、お母様が、「鞠の糸がつながっているように、平民から皇族になっても親子の縁は途切れることがない」と願われて
鞠の図柄のきものを誂えられたお話は有名です。また、中央には鼓が配されていますが、鼓は楽曲を演奏するときはリーダーの役割を担う楽器です。
たくさんの鞠とか桜の花びらは、今から集まって協力してこの晴着をお召しになるお子様を守り育てようとしています。
この祝い着にはお子様がたくさんの人から愛され、その人たちの縁を大切にして信頼される女性になられるようにとの願いが込められているのです。
藍子様の健やかなご成長を、心より祈念申し上げております。
わたや和服文化研究室