日本文化研究会「和のテーマパーク」

女児祝い着の文様のいわれ(15)

きもの、特に礼装のきものは、寿ぎの心を文様に託します。わたやではお宮参りの祝着をお買い上げいただいたお客様に祝着に描かれた文様のいわれを解説してお渡ししております。
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背や袖に刺繍された花車は、桃山文化華やかなりし頃、盛んに用いられた文様です。御前にささげる花を運ぶ花車は神仏を敬い努力することによって幸福が得られるとする考え方に基づいています。また絞りはそれ自体が水を表していますが、水は人間が生命を保つために一番大切なものです。その絞りで描かれた流水は桜や梅など花車に積みきれなかった花を運んでくれています。本当の花は儚いものですが、きものに描かれた花は絞りからもたらされる水によって枯れることなく永遠の命を持ちます。絞りと刺繍という贅沢な技法を駆使したこの祝着は、お子様が謙虚で、常に感謝を忘れずに前向きに努力される女性に成長されることを願って制作されております。
華凛様の健やかなご成長を心より祈念申し上げております。                                                                                                 わたや和服文化研究室  

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